「幼い頃から虫歯だらけ、治療は切羽詰まってから」の繰り返し・・・・いつしかまともな歯は上下と
も殆ど無くなっていました。一度は仕方なく義歯を使って見たものの、思うように発語出来ないことや、
外出先で手入れが出来ないこと等が煩わしくて放置。「どうせいつかは総入れ歯になるんだ」などと思っ
ていました。

2004年12月に前歯の差し歯が外れ、地元の歯医者さんで「次に外れたら付けられないと思う。総入
れ歯を考えた方が良いでしょう。」と言われました。ホンネはそれでもまだ何とか総入れ歯に変わる治療
を提示してくれるのではないかと期待していたのですが、その気配は微塵もないと気付き、初めて「現実」
と向き合った状態です。(そのときに自分の医院ではインプラントの治療を行っていなくても、「世の中
にはこのようなインプラントと方法というのもあるんですよ。」くらいの説明が欲しかった。知らないわ
けでもないと思うけど。)

 当時42歳この先総入れ歯で生活していくのかと思い、暗澹たる思いで暫くの間ため息をついて暮らし。
ふと、十数年前にテレビで見た「歯茎にネジで歯を止める治療」当時は「何もそこまでしなくても」と思
ったが、あれは確かインプラントと言ったかなと思い出し、ネットでインプラントを検索。分かるような、
分からないような。何だか凄い治療だなぁ・・・・。
その後もあちこち検索して自分なりに費用を計算。かなりの額になる予想!「無理かな?でも凄く良さそ
う、・・・諦められない!総入れ歯以外の方法がある。やっぱり受けたいっ!! 」

再び検索。そして高橋歯科医院のHPへ。診療日誌の中にインプラントの文字がいっぱいある。ここにし
ようかな?どうしようかな?メール相談出来るのか〜。

 あきれることにそれでも、以前から予定していた海外旅行には出かけ、恐る恐る食事をし、口元がまと
もに見えるであろう角度で写真を撮り、楽しいけれど不安で複雑な数日間を過ごしました。帰ったら決断
しなきゃと心の隅に置きながら・・・。外国の方々は、歯に対する意識が高いので自分の姿にとても緊張
するけれど、旅行の楽しみに負けてブザマな姿で出かけるのです。

結局、メール相談したのは数ヶ月経った2005年2月でした。その日のうちに受診を勧めるメールを頂
き、ドキドキしながら電話で受診の予約を入れ、やっと踏み出しました。

 2回目の診療で口腔内の写真入り診療計画書をもとに説明を受け、インプラント治療を受けられるとホ
ッとひと安心。(内心“これでは無理です”と言われるんじゃないかと心配していました)
ITIとブローネマルクで治療プランと見積もりを出して頂き、本数が多いので2回法のブローネマルク
がベストとのことでブローネマルクに決定。期間も大分掛かるので義歯を使用しながらの治療方針に、や
っぱり義歯と付き合わなければならないのかと内心ガッカリ。

義歯が出来て装着したときには、平静を装っていましたが、息苦しさと頭痛に悩まされ、「一生じゃない、
一生じゃない」と自分に言い聞かせて過ごしていました。

 治療を始めて約1年3ヶ月、これまでに計4回のオペで12本のインプラントを植立。この本数からも
私の惨憺たる有様を、ご想像頂けると思います。(先生はどうしたものかと、さぞかし頭を抱えたことと
思います。) 右上顎4本の時は静脈内鎮静法、下顎ではオペ前のCT検査も経験しました。歯が悪い以
外滅多に風邪も引かない私には、とても興味深かったと言ったら不謹慎でしょうか。
1次・2次オペとも麻酔のおかげでオペの痛みは感じませんでした。オペで辛いのは治療の痛みではなく
て、ずっと大きく口を開けていることでした。オペの度に「痛いですか?」と聞かれ「いいえ、でも顎が
痛い」と答えています。
私の場合、根の治療を受けるよりも、インプラントオペの方が何故か気分が楽です。

オペよりも術後の方が不安が多くて、1回目のオペ5日後位に植立したインプラントが、うっすら見えて
来た時は、不適合と言う単語が頭の中を駆けめぐり、半ばパニック状態で電話を入れて急遽受診。「いず
れオペで露出させるものだから見えていても大丈夫。出しておきましょう。」と説明されてひと安心。大
騒ぎした自分が恥ずかしかった。

 ネットでインプラントに辿りついた私にとって、各医院のHPに載っている体験談とオペ後に現れる自
分の症状が違うと不安になったものです。(私は毎回5日間、けっこう腫れます)
その後は術後の不安や疑問に思うことを、メールで何でも先生に質問しています。その度に丁寧な分かり
やすい説明をして頂けるので、私の医院選びは間違っていなかったと思っています。
次回の治療内容を診療前と後に伝えて貰えるのも安心です。私のオペや治療が診療時間を過ぎて昼休憩だ
ろうと思う時間でも、先生を始めスタッフの皆さんの丁寧に取り組む姿勢に、申し訳ないと思うと共に感
服しています。嫌な顔をせずに常に笑顔で接してくれるスタッフの皆さんに感謝です。自分も皆さんのよ
うにありたいと思います。

 現在は義歯とおさらばして!!今まで植立したインプラントに仮歯が付いています。上顎はフルアーチ
と言うのだそうで、右から左まで歯茎の形に添った仮歯がガッチリとインプラントにネジで止まっていま
す。初めのうちは、アイアンクロー(知っていますか?)をされているような感覚がありましたが、2週
間程で慣れて、仮歯とは言え義歯とは比べものにならない程の快適さを味わっています。食べ過ぎて困っ
たと先生にメールしたほどです。(外出先で食後に歯磨きやうがいをしている人をみかけることはあって
も、堂々と義歯を外して洗っている人を見たことがないのは私だけでしょうか。)
なにより、義歯は常に存在を主張し過ぎて、上顎に痛いほど張り付いてきて煩わしかった。

まだまだ治療の途中ですが、インプラントに辿り着けて本当に良かったと思っています。今までは人にど
う見られているのか思われているのかと気になり、人の反応を伺うことが多かったのですが、少なくとも
これからは外見を気にしなくて済みそうで、自分に自信を取り戻した様な気がします。後はこれから中味
を磨いていきたいと思っています。

自業自得とは言え、あのまま総入れ歯への道を進んでいたら、自分自身の選択に疑問を持ち、本当に手を
尽くしたのか?と自分に問い続け、視線を足元にばかり向けて生活することになったと思います。インプ
ラントで新しい歯を手に入れる事が出来、この先数十年、顔を上げて楽しく生活出来そうです。

これまで足踏みばかりしていましたが、一歩足を踏み出してみて本当に良かった。義歯に問題の無い方は
良いと思いますが、義歯ではないものを探して悩んでいる方は、事情が許すのであれば一歩踏み出してみ
ることをお薦めします。